ぼくの 妹 姫
1週間も過ぎれば
クラスメイトも
薄々 根暗な私に気がついて
声をかけなくなった
私は すごく安心した
だけど学校って
やっぱり おかしな場所だと思う
給食や休み時間
一人で過ごすと
それは おかしいと
見なされてしまうから
「蕾。学校に馴染めないか?」
夕食の時
すごく心配そうに
お兄ちゃんが訊いてきた
私は お兄ちゃんから目を逸らし
自分で作ったシチューをスプーンですくいながら
「なんで?」と訊いた
お兄ちゃんは言葉を選びながら
「菅原先生が蕾が一人でいる事が多いから
人見知りするのかって訊いてきて………」
「別にフツーだと思うよ?」
シレッと私は答えた
う~んと
お兄ちゃんは唸ってから
「困った事があったら
お兄ちゃんに言えよ」
心底、心配そうに私を見つめるお兄ちゃんに
私はうなずいた
昔から変わらない お兄ちゃんの
そういう健全な物の考え方
兄妹でも
全然 別の生き物みたい
お兄ちゃんには
暗闇はないのかな?
私と同じ暗闇は
お兄ちゃん
あなたには ないのかな?