ぼくの 妹 姫
ベッドの中
お兄ちゃんは
私をしっかり抱きしめて
胸に顔を埋めると懐かしい気持ちになった
頭のてっぺんの方でお兄ちゃんの息遣いを感じる
「お兄ちゃん」
「うん?」
「宙の家、殿様が住んでそうだった」
「………そう」
「10人家族だって」
「……ふぅ~ん」
「犬も猫も鯉も蛙もいたよ」
「……………ん」
「お手伝いさんもいた」
「……すごいな」
「宙の……お母さん
すごい楽しい人だった」
「……………」
「家族も皆。仲良さそうだった」
お兄ちゃんは 何も言わずに
私の身体をきつく抱きしめた
「お兄ちゃん
蕾ね、またお兄ちゃんと家族になれて良かった」
そう言ってお兄ちゃんの背中に手を回しギュッと抱き着くと
「蕾は、太陽みたいだね」
絞り出すような声でお兄ちゃんは呟いた