私の恋愛模様。
第四章

気付いた気持ち

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」

気が付いたときには校舎裏まで来ていた。

「げほっ、ごほごほっ。」

あまりにも夢中で走ったからか、息を整えようとした途端、ひどく咳ごんだ。

私は今になって『撮影を抜け出した』ことを申し訳なく思ったが、それでもどうしても戻る気になれなかった。

だけど、どうしよう。

戻らなくては、沢山の人達に迷惑をかけ続けることになる。

でも、だけどっ。

戻り、たくないよ。

だって、飛鳥がいる。

嘉壱君とのあんなシーン、飛鳥に見られたくないよ……。

私は、戻らなかった。

そして、さっきの山崎君と会話していたときを思い出していた――……。
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