ビー玉

2人と別れた後に、あたしは帰宅した。


「ただいま-」



返事はない。



台所では父親が酒を呑んでいた。



居間では母親が泣いていた。



小さな平屋建。

穴の開いた壁。


割れて散らばった皿。


一人暮らしをしている大学生の兄は家にはいない。


あたしは居間と台所を素通りし、部屋に籠った。



あたしは今日の戦利品を机に並べてそれを眺める。


あたしには欲しいものが、山のようにある。



遠くの方では怒鳴り声と何かが割れる音、その後ヒステリックに泣き叫ぶ声。



あたしはあの2人の



たぶん愛の結晶。



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