空の果て星の息吹
星空の事を話さなきゃ――

東京では地上が明るすぎて星空が良く見えないが、此処からは同じ空でも、細い星の光さえも肉眼で見えるって。


そう思ったら少し元気になれた。


心の拠り所が僕にはあるから、僕はそれだけで幸せを感じるし、頑張れる気になる。


伯父夫婦は、僕が遠野ソラという個体で居られるための、伯父たちが、僕の存在を気にしている気持ちで、僕自身が世界で成り立っていると感じられるときがある。


僕が僕である為の、再認識出来る唯一の場所である気がした。


部屋に帰り、直ぐに実家に電話をした。


伯父夫婦の柔らかい声はまるで、おひさまに干した後の布団の様に優しく温かく僕を包み込んでくれる。


いつも電話をする事で気持ちがリセットできる。


少しでも、伯父夫婦が元気でいてくれたら、いつでも僕が自分に戻れる。


とめども無い話が、湧水の様に出てきた。
僕は窓から覗く星空を見上げながら1時間くらい電話した。



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