空の果て星の息吹
『それで・・・進化の過程の第3歩が、この宇宙進出であると、いいたいのか?北見は?』


僕は北見に話した。


北見は薄ら笑いを浮かべながら答えた。


『そうです・・・だから、沢山の研究や経験は、必要なのです、つまり、幸福1号の事故も、この大きな流れからみたら、必要悪であり、それを僕らは未来へ紡いで行かなければならないんですよ』 


『しかし、北見、それでは余りにも、この事故は救われない、僕は、北見の言う歴史の大きな流れに対してここ数十年にかけての科学技術の進化や、宇宙計画が加速度的に進んでいることに恐怖すら感じる、人が空を飛んで、百数年でしか無いのに、今度は地球を離れて別の世界に行こうとする、だからまるで、鈍行の列車から特急に乗り換えた様に、景色を見る余裕が、乗り換えると少ないように、新技術や革新を長い時間かけて検証する事は、正直出来なくなっている、つまり今回の事故はそんな、開発自体に対しての警鐘だと僕は思う―――』


『未来への想いは紡いでいかないといけない――』


『話の過程は、違いますが行き着くところは、僕と同じです』


北見は少し真剣な顔をしながら


『今回の事で、確実に僕達への風当たりは強くなる・・・・・しかし、エデン計画は遂行してもらわないと困る―――』


『それは同じだよ北見は、エデン改造計画は今回の事故で少し停滞するに違いない、だからこそ、朱鷺は上がらないといけない、確実に―――』








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