空の果て星の息吹

楽園の姿

どれくらい寝ていたのであろうか?
部屋にある通信端末のモニターから、涼子が一生懸命起こそうとしていた。


僕は、重い頭を揺すりながら起き上がると、涼子が食事の時間だと告げたの聞き返事をしながら支度を始めた。


居住区にある食堂へ、頭を覚まさせながらむかった。

食堂で歓迎会を催してくれるらしく、賑やかな声が聞こえてきた。


都合の着いた、40名弱のエデンスタッフが集まってくれていた。
様々な国の肌の色や言葉の違い、性別を越えて、地球を滅亡から救うために、また人類を助けるために集まったのだ。


エデンスタッフの数は多いので、流石に椅子は用意出来ず立食パーティーになっていた。


歓迎会はバイキング形式になっていて、和洋中様々な食事が用意されていた。


重力施設が併合されていない、かっての宇宙ステーションでは、固形体の食事が殆どだったが、このエデンでは、疑似重力を居住区内で採用しているので、地上に似た形の食事を楽しめることができる。


これは、長期滞在するスタッフの精神衛生上にも非常に効果がある。


また、研究開発用の農場ブロックで取れた野菜や飼育された鳥の卵も食卓に並ぶことすらもある。


ただし、基本的には地上から送られてくる冷凍食品で賄われている。
それは、調理の際の様々なゴミや水等の事を考慮してである。


長官の歓迎のスピーチがあり僕らは様々な国の方々と話をした。


数年前までは無かったが今はトークライブ(携帯用自動翻訳機)のおかげで、大概の言語の会話は成立する

涼子は英語やフランス語は翻訳機を使わなかったが、流石にインド語やロシア語には使っていた。


エデンスタッフは誰もかれも、気兼ねなく声をかけてくれる。
僕も翻訳機片手に、話していろんな宇宙の体験談等を聞く。

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