空の果て星の息吹
幹也はにっこりとしながら火星再開発計画に自分が参加した経緯を話した。


幹也の子供の頃の夢は火星人は実在して、地下に人類に見つからないように隠れていて、それを確かめたかった夢をずっと追い掛けたら、火星再開発計画に参加していたというのだ。


夢とは何気ない事から始まり、それを夢のままで終わらすのが殆どだが、彼は貫き通したのだ。


そして、その幹也をユイは追っていた。


僕も結局は、亡き親父の夢を追い掛けたくて、この道に進んだ。


『これから、遠野くんをビジバシしごかなきゃな』


『手加減お願いしますね・・・』


二人は笑いあった。


その時、ステーション内に緊急非常事態警報が流れた―――


何者かが、中央コンピューターにハッキングをし、重力区の制御パターンを狂わせた形跡あり。


施設長のマクガイアはハッキングの形跡を追うように指示を出したのだが、相手が先に気づき、プログラムでの追跡は不可能になった

幹也とマクガイアと話していた。


『このハッキングは外部では考えにくい・・内部の仕業が高い、、ただし、特定するにはかなりの日数を要する・・』


『施設長・・・今回は重力区の制御へのハッキングだが・・もし予備核エンジンや中央区の破壊プログラムを流していたら・・・』


『各部屋にある端末を洗わせ、ハッキングの足跡を至急捜査しないと』


エデンに不穏な空気が広がる・・・


テロの驚異は天空の楽園までにも及ぶのか・・


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