空の果て星の息吹
第三章

希望と鎖

父さんが死んだのに・・親族は相続権や残された僕を誰が引き取るかで揉めていた。


時折、声を荒げる親族もいた。


養育費は誰が払うとおもってるんだ!
うちは無理よ子供もいるしこれ以上は無理!


縁側で耳を塞ぎながら体育座りをし、星を見上げていた、星はあんな惨劇があったのに、綺麗にいつも浮かんでいた。


暫くして声が止むと、後ろから耳を塞いでいた手を優しく外す人が居た。


その人は優しく頭を撫でてくれた。


優しく諭すようにゆっくりと話した。


『お父さんは宇宙が好きだったな・・だからこうやって悲しい時も空だけは、星だけは、綺麗に見えているんだよ、お父さんの意志を引き継いだように。
お父さん、お母さんは天に召されて星になったのかも知れない・・・・・』


醜い言葉しか聞こえなかった居場所の無い僕に聞こえた、優しい声を聞くと涙が溢れた。


止めどもなく流れる涙と嗚咽、今まで我慢した分、全て流れだした。


『もう、いいから・・・私の所へ来なさい・・・』


白髪交じりの温和な顔がまるで、自分の新しい居場所に思えた。


映像がぶれる―――


重い頭を振りながら僕はベッドで見知らぬ白い天井を見ながら、起きた。


久しぶりに夢を見ていたのだ、それは両親が事故で亡くなり、伯父が僕を引き取るときの夢だった・・・


目覚めて、数分して状況がわかる。
病院のベッドに横たわっていたのだ。


そこには、伯母の姿があり、目を覚ますと抱き締めてくれた。


温かく懐かしい匂いに包まれて涙が溢れてくる。


夢であって欲しかったがすぐに現実に引き戻される。

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