空の果て星の息吹

セイレーンの気持ち

宇宙装機の「実技講習1」
は必須であり、機体の数の関係で何班かに別けて受ける。


学園の練習用装機用室内プールに約二十名の生徒が集まる。


最終的にはこの実技は重力変換室になるが1年は水中用のスペースワーカーの練習機体に乗り操作を体験する。


ただ、宇宙空間も水中も、当たり前と思っている空気と決別をする場である。


練習機体は非常に不恰好なスクェアな形で人型ではあるが西洋騎士みたいな感じで、グレーで統一された人よりも一回り大きい。


筋肉運動を伝達しやすくするために、バレエのレオタードの様な専用のスーツを着て乗り込む。人よりも1,5倍くらい大きな[セイレーン]だ。


動かすのは、筋肉運動なので比較的動かしやすい。


教官の青い色のセイレーンが水中に入ると、全機、水中に潜り始めた。


モニターに映像が映っているのだが、そこに水圧メーターが自動で表示された。

水圧の圧迫感と、空気の無い世界での閉鎖感覚・・・を潜ると味わう。


筋肉伝達の操作方法であるが中々、頭で考える程、思ったようには動かない。
やはり、若干のタイムロスは否めない。


水深百メートルの底に着くと、講師の声が回線で入る

『まず、基本は落ち着く事だ・・・水中作業も宇宙も同じだから』


しかし、頭では解っているが、空気残量メーターを見てしまうと気持ちは焦る。

プールの底で、体育授業みたいに、走ったり、跳ねたり、感覚をつかませる運動をするのだが、何名かの生徒はパニックをお越し水上へ強制的にあがった。

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