空の果て星の息吹
ユイの担当医と話をする機会があり向かった。


担当医は二十代後半の眼鏡が似合う知的な雰囲気の女医での西澤先生であった。

西澤先生は、患者の意見を聞く、偉ぶらない先生で、ユイの状態を話してくれた

ユイは極度の緊張下での状態が続き、何かのきっかけで記憶を失った、それに伴い急激に記憶障害を引き起こしたとの事だった。


病名は逆行性健忘症(ぎゃつこうせいけんぼうしょう)と言われた、ある時より前の記憶を忘れてしまうという事だった。


緊張下で心を保護するために、記憶の断絶が働いたのだろう事だった。


ユイの記憶が戻る可能性はかなり低いと考えられるらしい。


ただし、時間をかけて、記憶が戻るような場合もあるから、気長に様子を見るしか無いとの事だった。


可能性はゼロでは無いのだから・・・・・


自分に言い聞かせるが、言い聞かせるたびに、不安要素が高くなる。


ユイに会い、少しでも話をして・・・ユイに思い出させてもらう・・・


ユイと宇宙にあがると誓った頃に・・・戻るために。

一緒に行かなきゃ意味が無いから・・・


ユイに会いに病棟に向かった。




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