ユピテルの神話

†エマの残した歌ってさ…


†エマの残した歌ってさ…



「…ん~~…」

ワン。
『…何ッ?ハルカ。ムツカシイ顔しちゃってさッ?』


「…エマの残した歌の意味を考えてたんだけど……」

『ふぅん?分かったぁッ?』


「……分かんない。コンも一緒に考えて?」

『――俺様もッ!?ぅえーッ?ムツカシイの嫌いー…』




月夜の晩に 集める光



ワン!
『…それはエマ言ってたじゃんッ!エマがキラキラする石を集めたんでしょ?俺、覚えてた!エライッ!?』

「…んー。月になったユピテルがエマが居る事に気が付く様に、月の光に反射して輝く石を地面に敷き詰めていたんだよね?」


ワン。
『…それそれッ!ねぇ、俺ってばエライなッ!?』

「…んー。それだけかなぁ?『集める光』…月から降る光の中に、エマへの愛情が少しずつ隠されて含まれているとしたら。エマは、それを自分の中に集めたかったんじゃないかな~。」


『……ねぇ…俺ってば…』

「ん~…それにユラのお話の中で言ってたよね?「光の無い世界に逃げてきたのに」って…。それって、この世界の事?「光」って、何なんだろ…」


『…ぶ~…無視かッ。無視だなッ!?』

「……はいはい、偉い。コンは偉いよ。」


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