俺様VAMP!
2章 橄欖石



「蓮と喧嘩したの?」


斎さんの後をついていくと、すぐに目的地まで辿り着いた。

古い…大正浪漫とでもいうのか、レトロな趣のある建物。

学校の敷地内の一番奥に位置する、特別寮。

丁寧に扉を開いてくれて、どうぞ、と笑う斎さん。
招かれたように、中に足を踏み入れると、クスリと笑う声がして。

「……いいえ。ちょっと行き違いがあっただけです」

「そう?…ま、いいけど。6人なんだから、仲良くね」

さらりと。
笑顔で、釘をさされた。
淡い髪色を揺らして。

一瞬だけ、言い訳が喉から零れそうになったけれど。

グッと飲み込むのに、一応成功した。

…………でも!!
あんな人、とは!
絶ッ対に、仲良くなんてしたくないッ!!

初対面なのに、すごく失礼で!

……女なら、絶対自分の思い通りになるって思ってるに違いない!!

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