現実(リアル)-大切な思い出-
これが、マスターとの出逢い。

それ以来私は、頻繁にマスターに逢いに、店を訪れるようになった。


マスターはとても気さくで、呆れてしまうことも多かったけれど、あらゆる意味で、“大人”だった。

だからこそ、マスターの居るその店は、すぐに私の大切な居場所となった。

そしてそこを、『神楽 星』として存在し続けるために必要な場所と、認識するようになった。


けれど、マスターにも素の自分を見せることはできなかった。

いや、マスターには見せられなかったと、言うべきなのかもしれない。


私には、素で居ることよりも、『神楽 星』で居ることの方が難しかった。

だから、私が『神楽 星』で存在し続けるためには、誰よりもマスターの存在が必要になっていた。


けれど、そう決めたために、私が素で居られる場所は、何処にも存在しなくなってしまった。
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