現実(リアル)-大切な思い出-
「幸姉…」
会話のなくなった部屋で、幸姉の鳴き声が響く。
俺はただ呆然と、その鳴き声を聴いていることしかできなかった。
◆
火月くんを引き取ることに決めたのは、それから2日後のことだった。
理由は、幸姉と火月くんをこのまま一緒に居させてはいけない‥そう感じたからだ。
そして、それは幸姉と火月くんへの“償い”でもあった。
幸姉の相談に乗ってあげられなかったことへの償い。
そして、そのために幸姉が火月くんを手放そうとしていることへの償い…。
たとえ俺が、あのとき話を聴いていたとしても、結局は何もできなかったかもしれない。
けれど、何かが変わっていたようにも思える。
少なくとも、幸姉が限界を迎えることは、なかったのではないだろうか。
そう思うと、表現しようのない罪悪感が俺を襲った。
「それじゃ、火月。行こうか」
車の前に立つ火月に、声を掛ける。
もう『火月くん』とは呼ばない。
もう他人ではなく、家族になったのだから…。
会話のなくなった部屋で、幸姉の鳴き声が響く。
俺はただ呆然と、その鳴き声を聴いていることしかできなかった。
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火月くんを引き取ることに決めたのは、それから2日後のことだった。
理由は、幸姉と火月くんをこのまま一緒に居させてはいけない‥そう感じたからだ。
そして、それは幸姉と火月くんへの“償い”でもあった。
幸姉の相談に乗ってあげられなかったことへの償い。
そして、そのために幸姉が火月くんを手放そうとしていることへの償い…。
たとえ俺が、あのとき話を聴いていたとしても、結局は何もできなかったかもしれない。
けれど、何かが変わっていたようにも思える。
少なくとも、幸姉が限界を迎えることは、なかったのではないだろうか。
そう思うと、表現しようのない罪悪感が俺を襲った。
「それじゃ、火月。行こうか」
車の前に立つ火月に、声を掛ける。
もう『火月くん』とは呼ばない。
もう他人ではなく、家族になったのだから…。