〜花魁〜
翌朝、目覚ましが鳴る前に目が覚め
寝ぼけた頭で体を起こすと、寒さで冷え切ったフローリングが徐々に体を冷やして行く―。
――サッ
勢い良くカーテンを開けると、静かな部屋の中にレースがスライドする音が響き
視界の向こう側には、雲ひとつない青空が広がっていた。
『良い天気やな〜。』
まさに、結婚式日和――。
「光―…?」
ゴソゴソっと起き上がる花が、細めた目でこっちを向く
『あっ、起こしちゃった?』
「うぅん…。」
『もう少し寝たら?まだ早いで?』
花の横に腰を下ろし髪を撫でると、指を絡めて来た…
『花…?』
「好…き。」
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