〜花魁〜
『家、どっち?』
人の流れに乗って、駅までの道を歩く。
0時を過ぎたって言うのに…未だに溢れんばかりの人の多さに、イラッとしながらも…花とはぐれない様に、ゆっくりと歩いた
「…………。」
また…だんまり…?
『ど、どうしたん?』
何でもズバズバと言う空と違って、花はモジモジタイプ…?
俺…ちゃんと口に出して言ってもらわないと…全くもって気付かない鈍感男やから、正直…だんまりが一番困る。
沈黙が流れてる間も、時間は刻一刻と過ぎて行き…チラッと腕時計に目をやると、終電の時間が……。
「あのね……。」
『うん?』
「もうちょっと、一緒におりたいなって…」
髪の毛の隙間から覗く花の顔は、微かに目が泳いでいて…
ここで、俺は何て返事したらいいんや…?
なんて、真剣に悩んだ。
.