〜花魁〜
シャワーを浴び終えて部屋に戻ると、ベッドの上でスヤスヤと寝息を立てる花の姿が目に入った。
『髪も…乾かさんと寝て…』
起こさない様にそっと近くに寄り、顔にかかった髪の毛をどかして、寝顔を見ていた…。
良く考えたら、花の事…何も知らないんだよなーー。
知ってるのは…名前と23才って年だけ。
携帯の番号もメールアドレスも知らない。苦笑
ゆっくりと腕を伸ばし、無防備に眠る花の頬に触れてみたら…
“あったかいー…”
そう思った。
『そ…ら…、好き。しつこくてゴメン…。ほんまにゴメン。でも好き。』
想いを口に出したら、涙まで出て来た…。
男のクセに…情けなさすぎる!!俺。
分かってるんやで?ちゃんと分かってる。
やけど、閉じ込めたままにしてたら爆発しそうやから、
俺しか言えない事やから、否定したくないんや。
って、いくら寝てるとは言え…他の女に向かって言うのも、どうなん…ソレ?って感じやけど。
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