She and I・・・

★12★ ~宇宙・信頼

奇妙に安定した生活が3ヶ月も続いてしまった。

いつまでもこの生活が続いていくような気さえしてきていた。

どんな結末を迎えるにせよ、
結末はやって来る。

永遠なんてないのに。

千夏がそばにいない人生なんて、
どこでどれだけ続いたところでおなじようなもの・・・


その時、

シフト外だった僕は、
ブリーフィングルームにあるフライトシミュレーターをいじっていた。

基本的には、この船の操縦をシミュレーション出来るものだが、ソフトを変えるといろいろな飛行機を試せる。

世界最速の戦闘機だって、可能だ。

僕はシフトについているか、

ロボットアームのシミュレーションをしているか、

フライトシミュレーターで戦闘機に乗っているか、

そうでなければ寝ている

という生活をしていた。

その全ての時間のかたわらに千夏はいなかったし、

心の中にはいつでも千夏がいた。



「熱心だね」

とアンヌが話しかけてきた。

「他にすることがないですから」

「クリスや・・・ダン、が君を認めているのがわかる気がするよ」

「ダンに勝負しようって言われてるんです。・・・帰ったら」

「へえ。可愛がられてるんだね」

「そうなんでしょうか?」

「当たり前だろう?見込みのない奴の面倒は普通見ないよ」

「あ、それ言われました」

「・・・少し妬けるよ」

「え?」

「なんでもないよ」

”少し妬ける”ってホントは聞こえてた。

サラからも同じセリフを聞いたなって思っていた。

「・・・サラの婚約者さん、って知ってます?」

「知らないよ~。私のこと幾つだと思ってるの?」

改めてアンヌのことを見る。整備士である前に若い女性だった。

「ちょっと、じろじろ見ないでよ。何歳だと思っていてもいいからさ」

「すみません」

「うん。こっちこそごめんね。本当は知ってる--」

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