さよならの十秒前
一気にまくしたてると、西野はぐったりとしゃがみ込んだ。
「…どうすればいいんだよ」
「…西野?」
「なぁ、人が死ぬって、美しいことだと思うか?」
「…」
「僕は思わない。思えない。なのに…」
西野が両手で顔を覆った。
「…どうすればいいんだよ」
「…西野?」
「なぁ、人が死ぬって、美しいことだと思うか?」
「…」
「僕は思わない。思えない。なのに…」
西野が両手で顔を覆った。