さよならのラブレター
「もしかしたらいろんな事が不自由になるかもしれない
ちょっとした事に対して独身の人が羨ましいと思うかもしれない
でも後悔しないと思う…
結婚に憧れてるわけじゃない
ただのぶちゃんと一生一緒にいたいと思える
結婚して苦労する事があっても
のぶちゃんとなら一緒に苦労できる

…それだけじゃ甘いかな?」


お父さんは少し黙って

「それでいいんじゃないか」
と笑った

「宣之くん」


「はい」


「こいつは弱い奴だけど
人の痛みをわかってあげられる優しい子に育てたつもりだ」


「はい」


「そしてしっかりそんな子に育ったと思う
だから…

大切にしてほしい…
それだけお願いしたい…」


「はい!!
絶対幸せにします!!」



お父さん
大好きなお父さん
私、泣きそうなのわかる?
でも、お父さんも泣きそうだから
今、必死に涙をこらえてるよ

私が小さい時から
笑うツボも
泣くツボも
一緒だもんね
そこは結婚しても変わらないよ
だってお父さんの娘だから
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