シャボン玉





…いない、いない、いない。

あたしの存在するクラス表のわくには…

あいつはいなかった。

あたしががっくりと肩をおろす。





なんで?なんでいないわけ?

誰がクラスつくったわけ?

なんで離しちゃうわけ?

去年はいつも近くで笑ってたじゃん。

あたし…もう笑えないじゃん。




「シイ~教室行こっ?」
隣ではさっきから変わらず満開の笑顔。

なんか、ムカつくんですけど。

そりゃあ、誰にもこんな気持ち知らないからしょうがないかもしれないけどさ?

まじ、はらたってきちゃうんだけど。

嬉しそうにスキップしないから教室に向かうミカ。




「早く早くぅ~っ」

手招きしてくるけど、そんな走る気もないっつーの。

あたしはただただ重い足を一生懸命動かした

教室の前に立ってため息。




「なぁーんか、雰陰気変わったねぇっ??」


「そう?別に何にも変わってないと思うけど?」

ううん。本当はミカが言うように全部…全部…変わっちゃった。

だってあいつがいないじゃん。

いつもいつも笑ってるあいつが。

クラス違ってもあいつは…あたしいなくても笑ってる?

笑ってるよね?だってあいつにとってあたしは…

そこらへんの女子と同じだもんね。





「座席表見に行こうか~♪」

忙しいやつ。空いてる席適当に座ればいいじゃん。




「シイはね…窓側の1番後ろだよっ!ミカは…廊下側だぁ…はなれちゃったね?」

あの頃も…窓側の一番後ろの席だった




「クラス一緒なんだしいいじゃん。」

あたしとあいつはクラスも違うんだし。

それと比べたらまだましぢゃん。

あいつは誰の隣なんだろう…

女の子と話してるの?






嫌だ、嫌だ、嫌だ。

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