君に許しのキスを
第12章―混乱―

―side凜

目を覚ますと、何故か顔を強張らせ、身体を震わせる妃奈ちゃんがいた。
それから、何故かそんな彼女を抱きしめるあいつの姿。



こういうのを、頭に血がのぼる、っていうんだろう。


まさにそういう感じで、近くにあった枕を強く握り、その勢いのまま、土屋に向けて投げつけた。


それから、さっきの『倉嶋』さんがくれたペットボトルも。


とにかく、近くにあるもの、全部。

土屋に投げつけた。



「やめて!!
離れて!!
早く!!!」

そう叫びながら。
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