君に許しのキスを

―side洋平

柄にもなく、クサいことを言ってしまった。

しかも、麻衣美のことまで。


『大好きだった。』


言って、あの日の麻衣美が帰り際に言った言葉を反芻する。



『洋平と会えて、一緒にいられたこと、後悔してないよ。
本当に大好きだった。
ありがとう。バイバイ、洋平。』


あの日、どこかすっきりしたような顔の麻衣美に、俺は何も言えなかった。


作り笑いで「じゃあな」と言ったくらいだ。



でも今なら言える気がする。
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