君に許しのキスを
第17章―友達―

―side凜

あの人と別れて、ひとりで家に帰った。
リビングに行き、旅行から帰ってきたお母さんに、「ただいま」と声をかけてた。
それから自分の部屋に入って、ベッドに倒れ込んだ。


そしてさっきのあの人の言葉を思い出して、考える。


あの人の言いたいことは、わかってる。



妃奈ちゃんを許してやれ、って意味だ。



わかってる。



あたしだって、このままで良いなんて、思ってない。


今日も避けたり、無視したり、しちゃったけど。



多分、許すとか許さないとか、仲直りとか、そういうのじゃない。


多分、いつもあたしの側にいて、味方をしてくれていた妃奈ちゃんへの、甘えだ。
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