君に許しのキスを
「…え…?」



電話の向こうから聞こえたのは、
想像もしていなかった言葉。



「だって、妃奈ちゃんは、何も悪くないじゃない。
好きな人が出来ただけ。
悪いのは、それを理解出来なかった、あたしだよ。
ごめんなさい、妃奈ちゃん。」



「違うの、違うの。
あたしが悪いんだよ。」


見えるわけもないのに、思い切り首を左右に振る。


声がつまって、言葉にならなくなっても、否定する。


悪いのは、すべてあたし。

諸悪の根源は、あたしなの。
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