君に許しのキスを
「あの人のこと、そんな嫌ってんの、
あんたくらいじゃない?
あのモテモテせんせー。」

清音ちゃんはくすくすと笑いながら言う。

「だって、キモいんだもん。」

あたしは机に不機嫌な顔を伏せた。


「だから、あのせんせーのこと、キモいとか言うウチの生徒、
なかなかいないんじゃない、って。
ま、別に私は好きでも嫌いでもないけど。
ていうか、どうでもいいんだけど。」


「きよたんのそーゆーとこ、好き。」

あたしは軽く机から顔を上げて、清音ちゃんににっこり笑いかけた。

次の瞬間、ガラッ、と扉の開く大きな音がした。
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