君に許しのキスを
倉嶋さんは床に手を付け、頭を丁寧に下げている。

まるで、土下座でもしているみたいに。

どうすれば良いか、あたしにはわからない。

本当のことを、話すべきなのだろうか。

だけど、これは凜のことで、
あたしが勝手に話して良いことにも、思えない。

けれど、倉嶋さんの真摯な姿に、
凜への想いの強さがうかがえて、
わからなくなる。

何が正しくて、
何が間違っているか。

あたしは隣に座る周を見た。

何も言わずに、あたしを優しく見つめている。


その瞳に、もっとわからなくなって、
部屋の奥のベッドに視線を移した。

凜が、何も言わずに、眠っている。

ふと、この前の凜を思い出した。

あの人といると安心すると言った、凜を。
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