君に許しのキスを
第24章―懺悔―

―side洋平

村西さんは話し終えると、何も言わずに沓宮さんに頭を下げた。
もう、何も言えない、何を言えば良いかわからないのだろう。

それは俺も同じだった。


彼女に何か話し掛けたかったが、何一つ言葉が浮かんでこなかった。
謝罪すれば良いのか。

断りもなく突然、キスしようとしたことを?

それとも、兄のことを?


俺は、とても傷ついているだろう彼女に、何か声をかけてやりたくて、言った。
迷って、息を詰まらせながら。


「…ごめん。」


小さく頭を下げ、彼女を見ると、彼女の顔には絶望の色が溢れていた。
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