君に許しのキスを
あたしはひどい顔をしていたのだろうか。

凜のお母さんが、心配そうに声をかけてきた。


「妃奈ちゃんには、本当に良くしてもらったのに、こういうことになって、本当に申し訳なくて。
本当にごめんなさい。」

そう言って深く頭を下げた。

「そんな…
頭、上げてください。」

あたしは謝られるようなこと、されていない。

むしろ、謝らなきゃいけないのは、あたしなのに。


凜のお母さんは、おずおずと頭を上げると、また言った。

「妃奈ちゃんには、申し訳ないとも思うけれど、本当に感謝もしているの。
これまで凜のために、
色々と手を尽くしてくれて、本当にありがとう。」
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