君に許しのキスを
でも出来なかった。
あたしはあなたを傷つけることしか、出来なかった。


あの日、あたしはあなたに一番してはいけないことをしてしまったんじゃないかと思うの。


あたしはあの時、これは間違ってないって信じていた。

だけどあなたはずっと、泣きそうな顔してた。
優しかったけど、泣きそうだった。



あたし、「大丈夫」って言ったけれど、本当は、すごく怖かった。

すごく苦しかったし、すごく痛かった。


だけどそんなこと、あなたには絶対に、言ってはいけないって思った。

言ってしまったら、絶対あなたをもっと傷つけてしまうし、だけどこれを乗り越えなきゃ、前には進めないって、思っていたから。


だけどそれは、間違っていたのかもしれません。

あたしのわがままで、あなたにあんな顔させて、
あなたを傷つけて、ごめんなさい。


それでも、あたしはきっと、あなたをまた、傷つけてしまいます。

あなたを苦しめてしまいます。

これからも、ずっと。


あたしはやっぱり、汚れているから。

あなたはきっと、あたしといる度に、お兄さんのことを思い出すから。
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