君に許しのキスを
「もしも凜ちゃんのことを利用して、自分は一人暮らしをしたい、遊びたいなんて思ってるんだとしたら、凜ちゃんに失礼だぞ。わかってるのか。」

お父さんのお説教は延々と続いた。
もちろんその日だけで終わるはずもなく、それから毎日のように、くどくどと諭された。


そんなこと、わかってる。

あたしは心の中で呟く。



確かに全部が全部凜のため、という訳じゃない。

あたし自身の罪滅ぼしのため、でもある。




凜は中1の2学期が始まってすぐの頃、部活で遅くなった帰り道で、レイプされた。
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