潔癖彼女ノ憂鬱
クスクス…

「……え?」

幻聴かと思った。

だって、未だに女の子に出逢えていなかったから。

でも確かに女の子の笑う声だった。

私は除菌スプレーを片手に振り返る。

「なぁに、そのスプレー?」

品のある香りが鼻を擽る。

とても『和』が似合う、黒髪セミロングの美少女が立っていた。

黒い瞳を輝かせ、興味津々といった感じで私を見つめている。

「え…あ、除菌?」

「まぁ。いつも持ち歩いてるの?」

「…えぇ、まあ」

ふんわりと笑う彼女は、何処からどう見てもセレブなお嬢様。

はじめましての女の子。

彼女の胸元には、私と同じく学年を表す『赤色』のネクタイが絞められていた。

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