*Lover's Re Mode*
「時永さん。ここにお座りになって」

一人のお姉様が椅子を引いて私に座る様に促す。

私が素直に腰掛けると、次々にお姉様方も席に着いた。

お姉様方に囲まれ、ちょっと息苦しい。

セレブだけあって想像していたのと大分違うみたいだ。

誰もいない所に連れて行かれると思っていた。

(校舎裏とか、体育館倉庫とか)

もしかしたら苦言だけで、危険な事はしないのがセレブ流なのかもしれない。

しかし、油断は禁物だ。

ゴクリと唾を飲み込み、恐る恐るお姉様方を見ると、お姉様方が華咲いた様な笑顔で微笑んでいる。

…?

「まあ、そんなに固くならないで」

「ふふふ。怯えてる顔が可愛い」

「まあ、いけませんわ。わたくし達は時永さんの親衛隊ですのよ?怖がらせてどうするんですの」

「誤解してらっしゃるのよ」

「まあ、皆さん。一気にお話ししたら時永さんも困惑してしまうわ」

…あれ?

何かちょっと可笑しい感じ?

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