魑魅魍魎の菊

黄昏、逢魔時







皆さんごきげんよう、私は菊花(きっか)と申します。

誰かが私を見ているかもしれないので挨拶をさせて頂きました。


あれ?誰も私のことを見ていないですって?


世の中は何が起こるのか解らないのです。人生の8割はハプニングで出来ていると私は思っています。他の2割は?

他の2割はですね——


まあ、アレですよ。一時のテンションに身を任せて自滅するんですよ。恐いですね、世の中って。

やれ不況だ、やれ天災だ。ハプニング続きの世の中ですよ。



とにかく、今から人間だろうが神、天使、悪魔の類いが私の邪魔をしようとしていても誰かの為に挨拶ぐらいはしておきたいんです。









「人間よ、何故(なにゆえ)その命を絶とうとするのだ」



黄金の毛を持つ巨大な化け物が現れても、だ。

一体、どうしてこうなったのか。翡翠色の瞳に見つめられながらも、私の精神は思ったより正常だったかもしれない。



 

やっぱり、人生ハプニングで出来ているんだと思ったこの頃。



 
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