魑魅魍魎の菊

ドッヂボールと自販機の必要性



やはりドッヂボールと自販機は球技大会には必需品なものだと俺は思う。


正影と龍星 WITH 加藤は今から行われる二年のドッヂボールの応援に来ていたのだ。本人達(正影と龍星)は暇なので来てやったと豪語している。



まぁ…そんなことより、自分のクラスの応援をしないだらけきった男二人が何故菊花の試合を観戦するのか、その真意はスルーしてだ…そろそろ始まる。



「ていうか、2年A組のクラT格好良いな…」

「だな…俺なんてファンシーなうさぎさんだぞ」


菊花のクラスのTシャツは白に筆ペンのようで書かれた龍と「唯我独尊」という謎な言葉が書かれていた。



(((何故一致団結とかじゃないんだ…)))


という素朴な三人の疑問を華麗にスルーした所で相手は明らかに運動部ですという女子が多い。

それに引き換え、菊花のチームには…運動が苦手そうな子が多いのだ。



「ていうか高村って運動出来るのか玖珂?」

「……普段のノリが妖力を頼ってやっているなら…どうだろうな」

「でも菊花ちゃんの身のこなしは凄いよー!まるでアクション映画見てるみたいだもんね!」


加藤の言う通り、あれが素ならさほど問題ネェだろう。



『それでわ、試合初め!』




そんなこんなで火蓋が切って落とされた——…




菊花達のクラスがボールを持ち、ひょろっとした女の子がボールを持って——所謂女の子投げをするが相手チームに取られてしまった。


残念なことに菊花は初外野で様子を見ている……ように見えたのだ。



「A組、アウト!」


という声でダブルで当たってしまっているA組…。

 
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