魑魅魍魎の菊
「ん、んぅ?」
やっぱり地味な私が一年の眉目秀麗の玖珂君と学校一の不良(?)と謳われている萩谷君と一緒にいるのは、キャラ的にまずかったか。
「あれって…。一年の玖珂と萩谷だろう?…しかも、"呼び捨て"だったし…」
「呼び捨ての件は本人もよく理解してないから置いといて。まぁ…とある"筋"と言いましょうか。仲の良い後輩ということで」
「今考えただろ」
「ですよねー!」
冷ややかな視線に耐えれないね!そしたら、グランドの方から刑部君がやってきたのだ。
「おっ、高村見つかったんだ植ちゃん」
「——高村が俺に黙って浮気してたし」
「いやいやいやいや…。そもそも付き合ってないし。そういう言葉あちらにいらっしゃる女子の皆様に…」
なんか私の寿命100歳ぐらい縮まったような気がするし。ていうか、縮まった。
「つーか高村が付き合うとか前代未聞だし」
「うっせ!いつか私にだって春が来るはずよ!」
「しかも未来系な時点で無理だろ」
何なのこの失礼な野球球児!
それでも爽やかだから文句言わないけどさ…。
「植ちゃん、もうすぐで試合だってよ!行こうぜ!」
「おう。高村、
——俺だけ見てろ」
(格好良い所見せてやっから)
5秒後に菊花の頭がショートしたのは言うまでもない。