[短編]15歳の君へ
冷たい記憶

雨の日に〜咲夜〜

咲夜(サクヤ)の記憶は大雨の日から始まる。


5歳のとき
母親が小さかった俺を抱きかかえて

ある建物の前に置いた。

「いつか俺を置いていった母親が迎えにくる。だから、この雨の中待っていよう。」と思って、暗い暗い夜の中、1人母親を待っていた。





次の日

玄関に出てきた園長が眠って、冷えている俺に驚き、すぐに病院へ連れて行った。


俺の記憶────
雨は嫌いじゃない。

俺自身を流してくれそうだから…
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