僕の記憶が消えていく
『どうしたの、このアザ?』
若い医師が心配そうに聞いてきた。
『最近何もないとこで転んじゃって。』
俺は照れくさそうに笑って言った。
『ちょっと全身見せてもらっていい?』
俺は足治してもらいたいんだけど先生は無数のアザが気になるのか俺の腕など隈無く見た。
『この腕のアザも転んで?』
『はい。』
『今月何回くらい転んだの?』
『5回以上は転んでます。』
俺は転んでばかりで恥ずかしく小さな声で言った。