燕と石と、山の鳥









結局、
電車が動くのを待って俺達は電車に乗り込んだ。



「にしても、ほんとよく見てんだな」

「あぁ、さっきのですか?」





俺が肯定すると、芹緒はさらりと返した。


「あぁ、視界に入った時点で男性は先程言った通り挙動不審だったんです。
だから僕はあの男性に気が付いたんですよ」

「んじゃあ…人間観察が趣味ってのは……」



「あ、あれも一応本当です。
でも、あれだけピンポイントで僕の意識が彼に向いたのはそういう理由ですよ」




あの中年のおっさんが妖怪にとり憑かれてるってことも有り得るのか…?

意外にも芹緒からの返答は"否"だった。







「妖怪が宿主を殺す事はあまりありません。
宿主を失ったら一度山に戻る事になりますから」


「なるほど…
ってことは、あるとしたらあのおっさんの近くにいる人間が妖怪に憑かれてるってとこか?」







「恐らくそうでしょうね」





調べる価値はありそうです。と芹緒は呟いた。

と、そこで目的の駅に着いて電車を降りる。





「……なんていうか、アレですよね」

「あ?」

「紺て、素人にしては順応早過ぎません?」







俺の不幸遭遇率なめんな。


「俺に順応能力なかったら今頃自殺してるぞ」

「あ、なるほど」






そこで納得されるってのも、
なんだかな。











「まぁ何はともかく。
さっきの刑事さんから情報を引き出してみるのが一番ですね」


「んなホイホイ一般人に情報流すわきゃねぇだろ」






















「ところがそうでもないかもしれないですよ?
今回ばかりは紺のその血もある意味役に立つかも知れません」

「?」
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