燕と石と、山の鳥
俺の返答を得て、ご明察です、と芹緒は応じた。
「こちらの人形、ヒノと言う名前でご想像の通り九十九神が宿っています。
紺は彼女と意思を疎通させ、言霊によって視覚的に確認出来る変化を彼女に起こさせて下さい」
「なるほどな……ところで、そんなんどこで見つけて来たんだ?」
「私物ですよ。
先日実家から送って貰ったんです」
旧家だったな。
失念してた。
俺は芹緒から人形を受け取る。
硝子玉の瞳からは、何も見えない。
「人形を選んだのにもまぁ理由があるんですが、わかりますか?」
俺は一度視線を芹緒へと戻す。
見開いているように彫り込まれた目玉と目が合った。
「人に形が近いからか」
「概ね正解ですね。
特に目が有る事が重要なんです。
瞳は能(ヨ)く心を映しますから」
「お前が面を被るのは、そういう事も関係あんのか?」
芹緒が俺に相方を頼んで来たのはそもそも自分が出来ない人側の心理へのアプローチを重要視していたからだ。
基本的に能面なんかは中間表情と言って今芹緒が付けているような飛出や翁の顔をした笑い尉などのいくつかの例外を除きその解釈を見る側に委ねるように作られる。
これは下手に相手を刺激しないようにという、影響を最小限に抑えるために芹緒が考じたものだったんじゃないか?
「こちらの人形、ヒノと言う名前でご想像の通り九十九神が宿っています。
紺は彼女と意思を疎通させ、言霊によって視覚的に確認出来る変化を彼女に起こさせて下さい」
「なるほどな……ところで、そんなんどこで見つけて来たんだ?」
「私物ですよ。
先日実家から送って貰ったんです」
旧家だったな。
失念してた。
俺は芹緒から人形を受け取る。
硝子玉の瞳からは、何も見えない。
「人形を選んだのにもまぁ理由があるんですが、わかりますか?」
俺は一度視線を芹緒へと戻す。
見開いているように彫り込まれた目玉と目が合った。
「人に形が近いからか」
「概ね正解ですね。
特に目が有る事が重要なんです。
瞳は能(ヨ)く心を映しますから」
「お前が面を被るのは、そういう事も関係あんのか?」
芹緒が俺に相方を頼んで来たのはそもそも自分が出来ない人側の心理へのアプローチを重要視していたからだ。
基本的に能面なんかは中間表情と言って今芹緒が付けているような飛出や翁の顔をした笑い尉などのいくつかの例外を除きその解釈を見る側に委ねるように作られる。
これは下手に相手を刺激しないようにという、影響を最小限に抑えるために芹緒が考じたものだったんじゃないか?