巡る巡る
鞄の奥のそれを気にしつつ、
ずっと渡せないまま放課後になった。
……高山君が帰っちゃう前に…渡さないと…。
…今年で…最後だから……。
卒業を間近に控えた3年生のあたし達。
ここを卒業したら、きっともう高山君と会うことはなくなる。
ダメだっていい…。
この想いだけ、伝えられれば。
『……いるよ……。
…ずっと、あたしの片想いなの……。』
そう答えたあたし。
…『貴方だよ』…
続けることの出来なかった言葉。
心の中で何度も伝えた。
あの時口に出来なかった想いを、
今日、伝えるんだ。