刹那の憂い(セツナのウレい)
刹那は、言いかけたことを、やめた。

深くため息をつく、音が聞こえる。


「紫苑ちゃんって何か、変わってる。

働いてるときは別人なんだけど、普段って、オレと時間の流れが違うところに生きてる感じする。

なんか、すごいまったりしてるというか。

何か、調子、狂わされる」

あたしは、ハッと刹那を見た。

そういえば、すぐ傍にいるんだった。

一瞬忘れていた。

というか、コノヒト、心地の良い雰囲気を放ちすぎだ。


「刹那、今、時間ある?」



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