とおりゃんせ2~日村令子の場合~


『何か…忘れてるような…』


「ほら もうすぐ僕たちの番だね!」


男の子はわくわくした様に

由里に話しかけた


「そーだね」


由里は『早く終われ』とだけ祈った


その時

由里たちの後ろに並んでいた子供たちが

ざわつきだした


「あの人…なんかスゴくない?」

「うん!他の人と全然違う!」

「えっっ?いい人?悪いひと?」

「わからないよ!でも何人かまとめてしてくれそうだよね」

「私まで入るかなぁ?」


由里は 子供たちが

何故そのような会話をしているのか

よく解らなかった


「ほら!僕たちの番だよ!」


そう言われ


由里は 子供の作ったアーチを


男の子とくぐり抜けた


< 6 / 62 >

この作品をシェア

pagetop