とおりゃんせ2~日村令子の場合~
『何か…忘れてるような…』
「ほら もうすぐ僕たちの番だね!」
男の子はわくわくした様に
由里に話しかけた
「そーだね」
由里は『早く終われ』とだけ祈った
その時
由里たちの後ろに並んでいた子供たちが
ざわつきだした
「あの人…なんかスゴくない?」
「うん!他の人と全然違う!」
「えっっ?いい人?悪いひと?」
「わからないよ!でも何人かまとめてしてくれそうだよね」
「私まで入るかなぁ?」
由里は 子供たちが
何故そのような会話をしているのか
よく解らなかった
「ほら!僕たちの番だよ!」
そう言われ
由里は 子供の作ったアーチを
男の子とくぐり抜けた