破天コウ!
「世界が変わること望んでいるの?」
それは、唐突な問いだった。いきなり、背後から、女の子の声が聞こえたのだ。
余りにも不意を突かれた問いではあったが、何故かおれの心の奥深くまで、その言葉は響いてきた。
「え?」おれは思わず振り返った。そこには、おれの胸ぐらいまでの身長の、金色の髪をした女の子が立っていた。
じっと、髪と同じ色の金色の瞳でおれのことを見つめている。それはとても深い瞳で、おれのことを深みに沈めていくかの如く、足を取られている感覚さえ覚えるぐらいに、おれを吸い込んでいく。
身に余るような、優しい白いローブにその身を包んでいる。
「貴方は、世界が変わることを望んでいるの?」
「ああ」
気付いた時には、既に遅かった。自身の意思とは関係なく、おれは返事をしながら頷いていた。
いや、『意思とは関係なく』というには、少し違和感を覚える。おれの理性ではなく、本能の部分が、おれに頷かせたのかもしれない。
とにかく、何かおれの本体ともいうべき部分を鷲掴みにされたような気分で、おれは首を縦に振っていた。
おれの顔をじっと見てから、心なしか少女も微笑んだように見えた。
そして、ゆっくりと口を開き、言う。
「良いのだな、京極ユーキ。世界が、廻り出すぞ。お前の世界が、この世界を飲み込み始める」
それは、唐突な問いだった。いきなり、背後から、女の子の声が聞こえたのだ。
余りにも不意を突かれた問いではあったが、何故かおれの心の奥深くまで、その言葉は響いてきた。
「え?」おれは思わず振り返った。そこには、おれの胸ぐらいまでの身長の、金色の髪をした女の子が立っていた。
じっと、髪と同じ色の金色の瞳でおれのことを見つめている。それはとても深い瞳で、おれのことを深みに沈めていくかの如く、足を取られている感覚さえ覚えるぐらいに、おれを吸い込んでいく。
身に余るような、優しい白いローブにその身を包んでいる。
「貴方は、世界が変わることを望んでいるの?」
「ああ」
気付いた時には、既に遅かった。自身の意思とは関係なく、おれは返事をしながら頷いていた。
いや、『意思とは関係なく』というには、少し違和感を覚える。おれの理性ではなく、本能の部分が、おれに頷かせたのかもしれない。
とにかく、何かおれの本体ともいうべき部分を鷲掴みにされたような気分で、おれは首を縦に振っていた。
おれの顔をじっと見てから、心なしか少女も微笑んだように見えた。
そして、ゆっくりと口を開き、言う。
「良いのだな、京極ユーキ。世界が、廻り出すぞ。お前の世界が、この世界を飲み込み始める」