第七世界
俺達の脱線

バイト

7月、初夏。

今日も刹那にボコボコにされながら、学校に登校していた。

刹那が家にあったエキスパンダーを朝っぱらから破壊したので、色々と仰っていたら粉砕されたわけだ。

「エキスパンダーなんて時代遅れなもん、家に置いてるほうが悪いわ」

「自分が伸ばせないからって、俺に八つ当たりするなよ」

「恭耶が伸ばせる事を自慢するからや」

「伸ばせずにいる小学生に散々罵られて、エキスパンダー君が可哀想だったんで、ゴホ!」

刹那のソバットを食らい、俺は地に伏せた。

「くそ、エキスパンダーは時代遅れではない、はず」

「鷹威君、おはよ」

「おはよ、っておわ!」

「え?そんなに驚くところ?」

俺の傍には最近、影が薄くなっている半袖カッターシャツの亜双佳那美がいた。

「ま、まだ学校にいたのかよ?」

「鷹威君、酷いなあ。私が学校に来ちゃいけないようじゃない」

佳那美がポニーテールを揺らして、むくれる。

「お前、自分がどういった存在か理解出来てるか?」

「あのね、私がいつも凶暴だと思う?」

「俺はあの時、お前にトラウマを背負わされた。ということで、お前が人にトラウマを与える前に俺が阻止せねばならん!」

「鷹威君、水に流すって言ったじゃない」

「お前が、一方的に、決め付けたんじゃないか」

指を指しながら、顔を近づける。

「私だって、一般人の生活を送りたいんだよ。分かるでしょ?この気持ち」

「うんうん、分かった分かった」

「全く話を聞いてないね。あ、それより、今日、暇?」

「お前も十分、話を聞いてないよな」
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