第七世界
「真祖は覆すほどの力を持つ」

「そんな奴に俺が屈服させる事が出来るとでも思ってるのかよ?」

「お前は鷹威だ。吸血鬼を狩る一族として生を成した」

「それで、真祖に勝てるだあ?」

「後はお前がやるだけだ」

男の体はさらに透明になっていく。

「ちょっと待てよ。お前、どうやって並列の世界に来れたんだ?」

「お前で終わりにしろ」

「ちょっと待てよ!俺が失敗したら」

「お前は俺よりも刹那を好きみたいだ」

「いやいや、何の説明にもなってませんから!」

「世界に異変をもたらす存在は消え去る運命だ。お前は、お前で、刹那を、救え」

『俺』は目を閉じて、静かに消えていった。

「ち、これが、俺に課せられた運命だっていうのかよ?」

自分の流れる血のせいで、刹那が死ぬだって?

そんな馬鹿な。

「くそったれが!」

拳を床にたたきつけた。

刹那、俺の意識は閉じ始める。

「血が、足りねえ」

俺の元に、輸血のパックが投げられる。

「今はそれで凌ぎなさい」

傍に立っているのは、梓さんであった。
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