第七世界
俺達の変色

学祭

季節は秋。

紅葉が目立ち、鮮やかな色で彩っている。

「おーい、刹那」

久々に部屋に入るので、入るなという張り紙の事は見えていなかった。

扉の向こうは禁断の世界。

などという事はなく、ただ幼児体の女が寝ているだけである。

以前、買ってやったメロディーちゃんは綺麗に飾られてあるようだ。

「人様のプレゼントをちゃんと大切にするところは褒めてやってもいいな」

「あんたを大切にする義務はないようやけどな」

いつの間にか起きてきた刹那は俺の前に立っている。

「よう、起きるのが遅いぞ」

朝の気分がよくなるようにとっておきのスマイルで刹那を迎えてやる。

「扉の向こうから起こす技術をつけんかい!」

人差し指と中指の二本の指で肉体のところどころに秘孔をつかれる。

「お手てが治ったからといって、俺で試すのは、よせ」

どこから秘孔の技術を仕入れてきたのか、一般人の打てるような痛みではない。

「世の中には試し打ちっていうのも必要なんやで」

指の使い道を明らかに間違えているとは思わないのか。

痛む体を奮い立たせ、俺は刹那の部屋から出て行く。

あれから数日、何事もなく平和な日々。

これが、俺の目指していた学園生活。

ここにたどり着くまでにどれだけの努力を積み重ねてきたというのか。

楓が静かなのは嫌な予感しかしないのだが、静かなら静かでいいんだ。

そろそろ、学園祭が行われる時期だしな。

前準備があるから、俺に構っているほど暇ではなくなったのかもしれない。
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