第七世界
俺達の辟易

鬼娘

刹那にぼっ殺され、病院で治療を受けてから数日が経ったある日。

今居る場所は教室の中であり、隣にはセーラー服を着た刹那がいる。

Sサイズにしても大きいと思うのだが、ぴったりなところ特別製なのかもしれない。

馬子にも衣装と言う諺があるのだが、刹那には打ってつけ。

「ゴハ!」

「要らん説明せんでええねん!」

俺を沈めた鉄拳で頬をぶん殴る。

「イテテ、お前の暴力が日々体を蝕んでいるような気がする。そして、お前は制服に着られてる感じがする」

「何いってんねん。滅茶苦茶ナウいやろ?」

「その自信はどっから湧いてくるんだよ」

ナウいってお前は幾つだ?

俺は痛む体を奮い立たせて着席する。

「お前はMK5がお似合いだよ」

「何やそれ?」

「短気だってこった」

「恭耶がボクのこと褒め称えたらええねん。それやったら怒ることもあらへん」

「そうだな」

褒める部分がないか、刹那を穴が開くほど見つめてみる。

5秒、10秒。

「ちょ、ちょっと、そんなに見られたら恥ずかしいやんか」

20秒、30秒。

「そないに褒めるところないんかい!」

「ゲハ!」

胸にとび蹴りが決まり、後方によろめく。

しかし、周りのクラスメイトがこちらを見て笑っているじゃないか。

今までこんな事はなかったんだぞ。

刹那のせいで、俺のイメージが崩れていくじゃないか。

「お前ら、本当に仲いいよな」

数日前、俺に話しかけてきた後ろの席の名もなき生徒が再び現れる。

「お前の目は節穴か?」

「俺も鷹威さんに蹴られたいよ」

「お前の気持ちはよく解った」

俺も鷹威であるからこそ、ハイキックで罪なき名もなき生徒を撃沈した。
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