そこから先は
「腹減らないか?」



男が尋ねてきた。



そういえば小腹が減っている。



「減った」


「ちょっと待ってろ」



そう言って男はどこかに行ってしまった。



手足をしばられ、目隠しまでされているのに監禁されているという気が全くしない。



自分が今どこにいるのかも、時間さえわからないのに不安や恐怖も感じない。



むしろ、男が近くにいることで安心すらしていた自分に驚いた。



この場にひとりにされたら、あたしはきっと不安に押しつぶされそうになるんじゃないだろうか。
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